●Ｃｄ０．３５（３ドアＳＲ）。風は抵抗する場を失った。

つかみどころがない。風に言わせると、こうなるのだろうか。
ウェッジシェイプの低いノーズ先端が、リトラクタブルヘッドランプを格納して空気を切りさく。新採用ノセミコンシールドワイパー、なめらかな傾斜をもつフロントウィンドゥは風をよせつけない。そしてリアに流れた空気は、ダックテールリアシェイプ（３ドア）によって、ボディリフトを抑える力に転化される。さらにプレスドア採用のフラッシュサフェース、ベンチレーターをリアクォーターウインドゥ裏部に設置したコンシールドベントルーバー（２ドア）。これら隅々まで施した画一化設計が、空気抵抗を大幅に減少。また、フロントバンパー一体のエアカットフラップが、ボディリフトの抑制に貢献する。エアロダイナミックスの徹底追求。このボディは、ついに空気を手なずけた。

Ｗｉｄｅ　Ｖｉｅｗ　

●３１１．４度（２ドア）。この広い視界は、安全な走りのために。
低く傾斜したフロントノーズ。ワイドなガラス面積。水平基調の低いダッシュボード。さらにセミコンシールドワイパーを新しく採用するなど、視界はいちだんと向上。実に３１１．４度（２ドア）という、ハイレベルな数値を達成した。

●卓越のシート設計。この確かなホールドが、スポーティドライブへと誘う。

ドライバーズシート。ここにも、新スプリンター・トレノの走りの設計思想が息づいている。ＧＴ　ＡＰＥＸと３ドアＧＴＶには、シートクッションとシートバックを凹面化したバケットタイプの本格的なスポーツシートを標準装備。連続コーナリングなどの激しい動きにも、身体はしっかりとホールドされる。しかも、このホールドよより確かなものにする５つのアジャスタブル機能つき。体格に合わせてフロントシート前縁部を上下に動かせるシート上下アジャスター（ＧＴＶは無し）。ファインピッチ化されたシートリクライニング、シートスライド（スライド量２１０ｍｍ）。４０ｍｍの幅で動き、頭部にベストフィットを約束する上下調整式フロントヘッドレスト。そして、左右両脇から身体を支える稼動サイドサポート。これらの各機構が、あたかもオーダーメイドしたようなフィット感を生む。スポーティドライブで、この安定感は実に頼もしい。